本日もご覧くださりありがとうございます。日本全国を公共交通でうろうろしている私ですがその原点となった地米沢市を今回は訪問しました。子供のころ年に3回は父の実家がある米沢を新幹線で訪問してました。その後青春18きっぷを知って各駅停車で訪問するようになったほど米沢は第二の故郷となりました。
1 米沢の日本初、日本一
2023年11月5日
大宮(6:37)→米沢(8:20) つばさ121号
早朝一発目の新幹線に手作りのおにぎりとコンビニパンを持って乗車。この時はトクだ値の35%割引を使ったのでかなりお得でした。
福島駅を出発した時に何やら大きな工事をしていましたがこれは非常に重要な工事なんです。右の写真のように山形新幹線は多くが仙台方面のやまびこと併結して走っており福島駅で連結と切り離しの作業を行いますがこの作業は線路の構造上作業は下り線ホームでしか行っていません。そうなると上り列車の連結作業で列車が到着、発車する時に平面交差ができて列車が遅れた場合他の下り列車も遅れてしまいます。そこで上りのアプローチ線を増やして上り線ホーム側で連結ができるように工事してます。そうすることで平面交差がなくなって遅れを最小限にとどめて柔軟にダイヤを組むことができます。工事完了は2026年度末を予定。
米沢駅に到着しました。駅舎は1993年に完成しました。私が米沢駅に着くと最初にここで親族の皆さんが出迎えて車で送ってくれるのが恒例行事となってましたが今回は私一人。
最初の観光地に行くまでの間米沢駅周辺をうろうろ。ちょうど米坂線の列車が通過しましたがここは近くで遊ぶ際によくとおった場所。子供のころは国鉄時代の車両がガタゴトと通って私も父と一回乗ったことがあります。
米沢最初の観光地がここ、米沢市民病院!!いきなり体調が悪くなったのかと思いましたがここにはちゃんとした理由があります。
米沢市立病院は今年11月1日、隣に新病院が完成して同じ敷地内には別の場所にあった民間の三友堂病院が建てられました。同じ敷地内に公営と民間の病院が併設されるのは日本初なんです。この二つの病院には深い思い出があり市立病院は祖母が入院した時お見舞いに行ったり私のいとこが生まれた場所。三友堂病院は10年以上前に祖父の最期を看取った場所で見た瞬間その時の記憶がよみがえってなんか泣いてしまいました。
県営相生アパート東(9:19)→山大正門(9:28) 米沢市民バス右回り
米沢市民病院を見た後近くのバス停からバスに乗って次の目的地へ。私が米沢を訪問した最大の目的がバスに乗ることなんです。米沢を何度も訪問した私ですが実はバスには一度も乗車したことがありません。米沢は車社会で親族の間でも使うことはあまりありませんし歩く方も少ないんです。日本中の公共交通に乗った私としてはなんとしてでもバスに乗りたかったのです。米沢市のバスは全ての路線で交通系ICカードが使用可能です!
最初に訪問したのが旧米沢高等工業学校で現在の山形大学工学部に隣接してます。1910年7月に完成した校舎は1973年に重要文化財に指定。冒頭で登場した米沢駅舎のモデルとなりました。
山大正門(10:06)→米沢駅(10:19) 米沢市民バス左回り
山形大学前からバスで米沢駅まで向かいます。この循環バスは右回りが青い色のバス、左回りが黄色いバスとなってます。
米沢駅(10:45)→興譲館高校口(10:59) 山交バス
米沢駅からは民間の山交バスに乗車します。この時運転してたのは女性の方でアナウンスがきれいで、運転も丁寧でした。女性のバス運転士は今年各地で見てますが共通するのはきめ細やかで運転がしなやかなことです!
次に訪問したのは米沢興譲館高等学校。この学校はかなりすごい歴史を持っており、1618年に直江兼続が「禅林文庫」という藩の学問所を開き後の上杉鷹山が「興譲館」と命名しました。歴史をたどると日本一起源の古い公立高校となっており現在では山形県内トップクラスの進学校となってます。米沢の親族はほとんどがこの米沢興譲館高校を卒業してます。
興譲館高校を訪問後は近くの食堂でラーメン。11時ごろ訪問にも関わらずすでにお客さまで満席。山形県は消費量日本一にもなるほどラーメン好き。私も子供のころに米沢を訪問した時は祖母がお昼時「そばでも食うか」と出前を取って食卓にラーメンを並べて食べてたほどでした。あっさりしたスープに縮れ麺が入った普通のラーメンですがこれこそが米沢のソウルフードでもあるのです。米沢と言えば米沢牛を思い浮かべる方が多いかもしれませんが米沢市民の方は米沢牛はほとんど食べません!!
「お疲れさまです」「お久しぶりです」
ラーメン店ではお客さまのほとんどが顔見知りでなんだかまるで店全体が大家族のようでした。これが米沢の日常なのだから。
福原屋食堂
〒992-0035 山形県米沢市太田町5丁目1594−1
11:00~14:00
0238-38-4299
木曜定休日
2 上杉の足跡と米沢の名湯小野川
おしょうしな(置賜弁でありがとう)
ラーメンで満腹になった後は近くの南米沢駅から列車に乗ります。大量の自転車は近くの高校の通学用。
南米沢(12:20)→西米沢(12:24)
駅で乗車証明書を受け取って一駅隣の西米沢駅まで列車に乗車。米坂線は小さいころから何回か乗っている思い出の路線ですが2022年8月の豪雨災害により現在も今泉から坂町の間が不通となってます。復旧費が何十億単位となっており復旧工事が進んでいません。復活してほしい声はありますがローカル線が廃止されることが多いいまはどうなるのかわかりません…。
西米沢駅に到着しました。米坂線はワンマン列車なので本来は前の運転席にある運賃箱に乗務員が確認の上運賃を支払います。しかしこの時は駅のきっぷ回収箱に運賃を入れるようアナウンスがありどこのドアからも降りられたので完全に信用乗車でした。
しばらく歩くと上杉家御廟所(うえすぎけごびょうしょ)が見えてきました。ここには謙信公をはじめとする上杉家一同の墓があります。その中には上杉鷹山公の墓もあり鷹山は有名な言葉を残しました。
為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり
何か目標を持って努力すれば達成する、努力しなければよい結果にならない。江戸時代日本一の貧乏藩と呼ばれた米沢が上杉鷹山による改革で立ち直った歴史があります。鷹山自らが質素倹約に努めて民衆を救った実績は素晴らしいと感じました。
御廟所西口(13:02)→中央二丁目(13:13) 米沢市民バス右回り
市民バスと徒歩で上杉神社を訪問してコロッケと玉こんにゃく。上杉神社は親族一同のお出かけの定番の地でこの二つよく食べました。玉こんにゃくは子供の時は100円でしたがこの時は130円。しかし私にとっては思い出の味なので値段が上がっても食べ続けます。
上杉神社で食べた後は米沢図書館近くまで歩いてきましたがそこには大きな空き地がありました。ここにはかつて山形市に本社を置く百貨店チェーンの「大沼」がありました。ルーツは1700年に山形市で創業した荒物屋で日本では松坂屋と三越に次いで3番目に古い老舗の百貨店でした。1970年に米沢店が開業しましたが近年はショッピングセンターの出店などで売り上げが減り2019年に米沢店が閉店して大沼山形本店も2020年1月で閉店し経営破綻、山形県は日本で初めて百貨店がない都道府県となりました。ビルは解体されかつてあったアーケードも今はありません。子供のころに父と機嫌が悪い中で通ったところでした。
駐車場の心配がない定期バスをご利用ください
バス停に書いてあった言葉に非常に共感しました。車の場合は停めるときに駐車場を探さねばならず車庫入れが下手な自分にとっては苦労しました。バスは目的地に着いたら降りるだけ、安全快適そのものです!
門東町三丁目(14:06)→駐車場前(14:26) 山交バス
バスに乗車して次に向かったのは小野川温泉。836年に開湯して米沢生まれの伊達政宗が湯治したとも言われてます。ほとんどの方が小野川温泉で降りましたが私は一つ先の終点まで乗車。運転士さんからも「終点でいいですか?」と聞かれたので終点まで行く方がほぼいないことを感じました。この時の運転してたのは興譲館高校近くまで乗車した時と同じ女性の方。
14時40分発の米沢駅行バスまでのわずかな時間で足湯に入浴。足の底を濡らした程度ですが癒されたので入浴したことにします(笑)
米沢駅に戻り親族の方が迎えに来てくれたので車に乗車。夕食は寿司と山形の郷土料理「芋煮」。芋煮は味噌汁代わりに出てくることがよくあってごはんと芋煮だけでも行けるくらいでした。山形の親族の家は高校生の時に青春18きっぷの旅をしたときによく泊めてくれました。洗濯もできて今まで旅した中で一番激安、というより0円でした。
おしょうしな
山形県置賜地方の方言でありがとうの意味があり「おしょうしな大使」という言葉があるほどなんです。今回の宿泊には感謝しかありません。
3 平日限定の山交バス窪田線
2023年11月6日
翌日霧が出たなか駅まで送ってくれました。何から何まで本当にありがとう!
米沢駅(6:45)→外の内(7:14) 山交バス
親族に見送られる中、山交バスの窪田線に乗車しました。終点の外の内(とのうち)は置賜駅から歩いた場所にあり周辺は工業団地になってます。
この日から新しい米沢市立、三友堂病院の外来診療が始まることもあって病院の敷地内にバスの乗り入れが開始されました。終点までは私以外に1名男性のお客さまが乗ってました。折り返しのバスまでは近くのセブンイレブンでトイレと昼食調達。朝の通勤時間なので車がひっきりなしに行き交います。山形の車社会ぶりはすさまじいものでその中で公共交通のバスは孤軍奮闘。
なお朝食は時間がないことをわかってたのか親族の方がおにぎりを握ってくれました。3個のうち2個を食べました。
外の内(7:45)→大町(8:14) 山交バス
折り返しのバスに乗車して途中でも2名ほど乗ってきていずれもICカード利用。今年日本中で乗ったバスは現金しか使えない場所が多い中でキャッシュレスが地方でも広がっていることを実感しました。ここからはまた別のバスに乗車しますがそれはまた次の記事で。本日もご覧くださりありがとうございます。
コメント