本日もブログをご覧くださりありがとうございます。最近埼玉近辺をうろうろしてますが今回は埼玉のお隣群馬県へ旅することに。北関東は栃木の宇都宮、日光ばかりに行っていて群馬は知らないことばかり、温泉も多いので行くことにしました。
1 群馬へはなぜか東武東上線でそのわけは…
そして今回行くにあたっては池袋から埼玉の寄居を結ぶ東武東上線で行くことにしました。この東武東上線、東上の東は東京、上は群馬の上州という意味があり、群馬まで建設してなんとその先新潟に伸びる構想もありました。1912年に前身の東上鉄道が豊島区大塚から川越、松山、児玉、高崎を通って渋川まで免許を受けて1914年に最初の区間が川越辺りまで開業、1920年に東上鉄道が東武鉄道に合併されこの時点で寄居駅から先の延伸の準備が進んでましたが八高線の建設計画によって中断。1924年に寄居高崎間は免許が失効して1925年に寄居まで全通して現在の東武東上線の形ができたのです。
私も子供のころから利用してましたがこのような歴史があるとは知りませんでした!
2022年11月21日
池袋(5:17)→(5:53)ふじみ野(5:55)→小川町(6:39) 普通森林公園行&急行小川町行
早朝の池袋駅から眠い中出発、なお途中のふじみ野駅で後から出発した急行電車に乗り換えました。列車の中はハイキング客の姿がちらほら見えました。
小川町(6:41)→寄居(6:59)普通 寄居行
小川町駅で系統が分かれるため乗換は必須です。2020年に開業したみなみ寄居駅に隣接するホンダ寄居工場への通勤客が多く到着の瞬間に大半が下車しました。鉢形駅を過ぎると荒川を渡って寄居駅到着。
寄居(7:16)→高崎(7:57)普通 高崎行
寄居駅からは東武東上線が伸びることがなかった高崎方面に行きます。本来の東上線は寄居駅ではなく東の秩父鉄道小前田駅から児玉、藤岡、現在上信電鉄の駅がある山名を通って高崎に至る計画でした。八高線より先に東武鉄道ができていたら高崎から東京への人の流れも違ってたかも…
最近小前田駅の隣にふかや花園駅とアウトレットができました。
高崎駅に到着してここからは東武高崎線の廃線跡を行きます。
高崎駅(8:10)→渋川駅(9:14) 関越交通バス
高崎駅からは路線バスで渋川駅まで。1893年に馬車鉄道から始まって1910年に電気軌道すなわち路面電車に転換されて1927年に東武鉄道の路線となりました。途中のバス停である飯塚本町(高崎の先の北高崎周辺)、金古上宿(かねこかみやど)は東京から東武東上線が通るはずだった地点。1953年に廃線後路線バス転換されました。群馬県は車社会なので私を含めて利用は数人、始発から終点まで乗りとおしたのは私だけ…
渋川が近づくにつれて右手に見えたのは赤城山、冬は赤城おろしという強風が吹いて上州空っ風ともいわれます。私は2005年の赤城自然の教室で訪れて登山、キャンプファイヤーをしたのが思い出です!
東武東上線の終点となるはずだった渋川駅に到着しました。風格がある駅舎で伊香保温泉への玄関口として観光客でにぎわいます。
免許を受けてた大塚から渋川までの距離は約122.6km(Wikipedia内のリンクから調べた値による)。地図を使って大まかなルートを描いてみました。黒線が計画ルートで赤線が現在のルート。朝霞台や坂戸は本来通るはずはありませんでしたが志木の商人の誘致やルート変更などでかなり曲がってます。計画されてたルートはきれいな直線で特急列車が走ってたらかなり爆走しそう…
2 名湯伊香保温泉へ急勾配を上っていく
渋川駅(9:25)→榛名登山口(9:45) 関越交通バス
渋川駅から伊香保温泉までバスを使いますがここも伊香保軌道線の廃線で1910年に伊香保電気軌道として開業しました。勾配はかなりすごく渋川駅と伊香保温泉で差は500m以上!途中でスイッチバックの駅もあったようで路面電車でよく上れたなあと乗って感じました。
バスは温泉地に到着。運転士さんからどこで降りるんですか?と聞かれましたが多分降りる人が少ないからだろう…
近くには当時伊香保軌道線で活躍してた車両が展示されてて木造のかわいらしい車両。当時の東武鉄道は日光鬼怒川に注力してて伊香保周辺の路面電車は放置、1956年の廃止まで開業時からの車両を改造して使い続けたそうです。
全日本ろうあ連盟結成の地の石碑がありました。1947年に耳の不自由なろう者の当事者団体としてこの伊香保で結成されました。手話がろう者とのコミュニケーションですが私も過去に少しだけやっていて母は手話通訳の達人。ちなみにろう者とは筆談でも通じますが手話は単語の組み合わせてて文章が独特なのでなるべく簡潔にした方がいいと学びました。
「伊香保温泉日本の名湯」
上毛かるたでこう読まれているので温泉には必ず入りたい!石段街を少し上がったところに公衆浴場があったのでひとっ風呂浴びました。露天風呂はなく中に大浴場が一つあるだけのシンプルな温泉ですが入った瞬間に疲れが抜けていく。景色も最高でしばし至福の時。この浴場には貴重品を預けるロッカー(100円)があるのでご安心を。
風呂上がりに水分補給で休憩しながら紅葉と山々を眺めます。晴れているのでかなりきれい!
町を歩いていると頭文字Dのマンホールがありました。渋川市とコラボしていて渋川駅では主人公の愛車を模したタクシーが走ってました。乗ったら爆速して頭文字Dの世界を体験できるかも…
伊香保温泉では食べ歩きで玉こんにゃくなどを味見。湯の花まんじゅうは温泉まんじゅうの元祖という説があり提案をしたのは1910年の伊香保軌道線の開業時江ノ島電鉄(神奈川県)に視察へ行った方で、その後伊香保の「勝月堂」から湯の色をしたまんじゅうができました。私が買ったのはあんこがはみ出たりして賞味期限が当日中でした。
湯の花まんじゅう 花いちもんめ
9:30~16:30
年中無休
TEL.0279-72-3720
伊香保温泉(12:17)→渋川駅(12:43) 関越交通バス
温泉に入るという目的を達成したのでバスで渋川駅へ戻ります。今回関越交通の伊香保線で使えるフリーパスをスマホアプリ「バスもり!」で購入しました。一日券は800円なので日帰りで単純往復する場合340円安くなります。もちろん当日に車内でも購入可能です!
渋川駅(12:56)→前橋駅(13:40) 関越交通バス
渋川駅からはこれも廃線された東武前橋線跡を行くバスに乗りました。東武伊香保軌道線の路線の中で最初に開業してその年は1890年。東武高崎線と同じく馬車鉄道から始まってその後路面電車となりました。このバスは前橋駅に近づくにつれて利用客が多くなっていきました。
3 前橋と高崎でいろいろ見て食べる
前橋駅に到着しました。これにて東武伊香保軌道線の廃線跡を全て通りましたがやることがなくなり前橋と高崎をぶらぶらすることに。駅前は少し静かな雰囲気。
群馬県に来たら食べたいと思っていたのがこの焼きまんじゅう。郷土食として有名でまんじゅうに甘辛い味噌だれを塗ってあります。シンプルながらも食感はふっくらしていて手軽に食べられる!店は前橋駅から東に15分のところでほかにあんこ入りの焼きまんじゅうもあります。
たなかや焼きまんじゅう店 朝日町
10:00~17:00
水曜定休
TEL. 027-224-3903
JR前橋駅より徒歩15分
焼きまんじゅうを味わった後にやってきたこの立派なビル、「群馬県庁」で33階建ての高さ153m!県庁ですが展望台があるので上ることにしました。
群馬県庁の中には展望台専用のエレベーターがあって1階から32階の展望台までをダイレクトに結びます。ガラス張りなので上っている最中も景色が見れます。
展望台からの眺めは絶景!県庁からの景色とは思えず埼玉県民の私からしたら本当にうらやましい限り。31階には和食と洋食のレストランがありお祝い事にも使われるそう。
26階に下りると群馬県のジオラマがありました。地形が再現されていて写真手前が板倉町や館林市、奥がみなかみ町や草津町。ジオラマに上がることもでき気分は巨大な怪獣(笑)
群馬県庁から下りた後は前橋公園を散策。湖がありましたがよく見ると形が群馬県!
前橋(16:00)→高崎(16:14)普通 高崎行
前橋からは群馬第2の都市高崎へ。小さいころ群馬の県庁所在地は高崎だと思ってました(笑)しかし群馬県ができた1871年は高崎に県庁を置いていてその後前橋と高崎が何回か入れ替わってました。
高崎では街を散歩して夕食の店探し。最近洋食を食べてなくてしゃれた喫茶店を発見。オムハヤシを食べましたが卵がとろけてハヤシソースは濃厚。パスタもありましたが高崎はパスタの街として市内に店がたくさんあるのです。
room’s
11:00~22:00
年中無休
TEL. 027-324-7272
JR高崎駅より徒歩11分
高崎(18:06)→小川町(19:08)普通 高麗川行
高崎からの帰りも東武東上線のルートで行くことに。17時40分に入線した2両編成の車内は高校生でとても混雑していましたが群馬藤岡で大半が降りて埼玉県内に入るとどんどん空いてきました。寄居と小川町は八高線と東武線が並行してますが運転間隔、車両ともに圧倒的な東武線の勝利。しかし運賃は八高線の方が少し安い。
小川町(19:15)→池袋(20:19)快速急行 池袋行
小川町駅で東武東上線に乗り換え。列車はクロスシートの快適仕様で停車駅は東松山までの各駅と坂戸、川越市、川越、志木、和光市、池袋と特急並みです。しかも料金は無料!
快速急行は有料列車「TJライナー」の折り返しを兼ねて池袋からそのままライナーになります。私からすると有料でも乗りたいです!八高線にもクロスシートがあるので乗換1回で快適な移動。高崎から池袋まで湘南新宿ライン経由は1980円ですが小川町経由だと1675円(IC運賃)。不便ですが意外と穴場的ルートで浮いたお金で酒とお菓子を買えば酒盛りが楽しめるかも。
終点の池袋駅に到着。帰りも東武東上線の名に恥じぬよう役割を果たすことができ私としては満足しました。
池袋駅で改札を出ると野菜や果物を売っていました。これは東武鉄道と沿線の農家、大学が共同で食品ロスを減らす取り組み。森林公園駅16時58分発快速急行池袋行の列車に沿線の直売所で売れ残った野菜を載せて池袋駅まで運んで売るというもの。週3回月水金に開催していて私も売れ残っていたキウイを購入、というより埼玉でキウイが獲れるんだ…
私は今回事前に東武東上線の定期券を購入しました。埼玉で行ってない所が東武東上線周辺にあったことや子供のころから東上線をよく利用してたことからいろんな思い出をありがとうの気持ちを込めました。東武東上線は池袋寄居間で39駅。
Thank you TOJO LINE!
この日は立ち寄りませんでしたがお気に入りのスイーツが小川町駅前にある三代目清水屋のおからドーナツ。直売なのて出来たてが食べられて外はカリカリ中はもっちり。定期券のある中で5回行きました(笑)
三代目清水屋
10:00~17:00
月曜定休
TEL. 0493-74-0100
小川町駅より徒歩1分
「おまけ」幻の西板線を行く
10月からよく使った東武東上線ですが同じ東武鉄道の伊勢崎線などの本線系とは路線が繋がっていません。そのため運行形態は独特でまるで別会社です。
しかし!実は本線と東上線を繋ぐ計画が昔ありその名は「西板線」。足立区の西新井駅と板橋区の上板橋駅を結ぶ路線で実際に1924年に免許も交付されました。関東大震災や建設計画などいろいろあって実現しませんでしたがその足跡を辿ってみようと思います。
2022年10月25日
東武スカイツリーライン西新井駅から乗るのは東武大師線。西新井大師への輸送を目的に西板線として1931年に1.1kmの区間が開業しました。大師前駅に改札口がなく、西新井駅の乗り換え改札が実質大師前駅の改札となってます。列車は2両編成のワンマンで日中は10分間隔で往復してます。
2分で終点の大師前駅に到着。1968年に環七通り拡幅に伴って路線が100m短くなって1991年に高架化されました。駅舎はとても立派で利用客もそこそこいました。
西新井と言えば西新井大師なので参拝して名物の草団子を「中田屋」で購入。
中田屋
10:00~16:00
木曜定休
TEL.03-3890-2933
大師前駅より徒歩2分
西新井大師のバス停からは国際興業バス「赤27系統」で環七通りに沿って赤羽駅まで乗車。西板線は現在の環七通りに沿って途中に大師前、鹿浜、神谷、板橋上宿(仮称)の各駅が設置される予定でした。以前夕方にこのバスに乗りましたが大混雑してました。
赤羽駅でバスを降りて次に乗車するのは「赤53系統」ときわ台駅行でルートとしては少し異なります。本数はとても多く朝は3分間隔で赤羽駅前は行列に!日中も8分間隔でバスで足りるのかと思うほど。
バスは地域の足で30分かけてときわ台駅に到着しました。ときわ台周辺には西板線関連の操車場用地が確保されてましたが計画が中止された後に住宅地ができて1935年に前身の武蔵常盤駅が開業しました。
幻の東武西板線をバス2本で乗り継いでみましたが今の現状からすると必要だったのではと感じました。いろんな思いがありますがバスとして地域の交通を守ってほしいと思います。その後賞味期限が当日中の草団子20個を腹に入れました(笑)
今回もブログをご覧くださりありがとうございます。読んでくれただけでも次の記事を書く力になります!
東武東上線の懐かしカラーたち
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